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診療コラム

Column

「大腸ポリープ」って結局なに?放置するとがんになる?形や大きさで変わる「切除の基準」を解説

診察室で大腸カメラの結果をご説明していると、よくこんなご質問をいただきます。
「先生、ポリープって要するに何なんですか?」 「腫瘍(しゅよう)って言われると怖いんですけど、がんですか?」
言葉は聞いたことがあっても、実際に自分のお腹の中に何ができているのか、イメージするのは難しいですよね。 実は、大腸ポリープには「放っておいてもいい良い子」と「将来がんになるかもしれない悪い子」がいます。
今回は、毎日内視鏡を握る専門医が、大腸ポリープの正体や、ユニークなその「形」、そして切除すべきかどうかの判断基準について、わかりやすく解説します。

そもそも「大腸ポリープ」とは?

一言でいうと、「腸の粘膜にできた、できもの(隆起)」のことです。 皮膚にできる「いぼ」や「ほくろ」が、腸の中にできたものだとイメージしてください。
このポリープは、大きく2つのタイプに分けられます。

腫瘍性(しゅようせい)ポリープ

今は良性だが、いつか悪いものに変わるポリープを指します。

  • アデノーマ(腺腫):大腸ポリープの約8割がこれです。今は良性ですが、大きくなると「大腸がん」に変化する可能性を持っています。
  • がん:すでにがん化しているもの。

非腫瘍性(ひしゅようせい)ポリープ

炎症や加齢によってできたもの。基本的にがん化することは稀なので、そのまま様子を見ることが多いです。一生放っておいても良性のままのポリープです。

「良性です」と言われた時の疑問

「良性のポリープなのでご安心ください」と言われた時、多くの方が「今は良性だけど、将来はどうなの?」と不安になられます。 ここが説明不足になりがちなポイントです。
例えば、胃カメラでよく見つかる「胃底腺(いていせん)ポリープ」というものがあります。これも「良性です」とお伝えしますが、患者様によっては「いつか悪いものになるのではないか」と非常に悩まれてしまうことがあります。 しかし、この胃底腺ポリープは「今も良性で、これからもずっと良性のポリープ(がん化しない)」なのです。
私たちが内視鏡検査で切除するのは、前者の「将来悪性になる芽(アデノーマ)」を、まだ良性のうちに摘み取ってしまうこと(予防切除)が目的なのです。

キノコ?丘?ポリープの「形」はいろいろ

ポリープと聞くと、どのような形を想像しますか? 実は、みんな同じ形ではありません。形によって見つけやすさや特徴が異なります。

茎(くき)があるタイプ(有茎性)

さくらんぼやキノコのように、細い茎があって、その先に丸い頭がついているタイプです。 ゆらゆらと揺れているので見つけやすく、スネア(金属の輪っか)を茎にかけて焼き切ることで、比較的簡単に切除できます。※ただし、切除後に出血するリスクがあるため、非常に慎重な処置が必要です。

茎がないタイプ(無茎性・亜有茎性)

茎がなく、なだらかな丘やドームのように盛り上がっているタイプです。 ポリープの中で一番多いのがこの形です。皆さんに画像をお見せした時に、一番「できもの」としてしっくり感じていただけるポリープです。

平坦・陥凹(かんおう)タイプ

これが一番の厄介者です。盛り上がりがほとんどなく、地面(粘膜)に張り付いているような形や、逆に少し凹んでいる形をしています。 実は、この平坦なタイプこそ、小さくてもがん化しやすい(悪性度が高い)傾向があります。 しかし、凹凸が少ないため、通常の内視鏡観察では非常に見つけにくく、医師の経験と技術が問われるポリープです。

当院なら「見つけにくいポリープ」も見逃さない

「平坦なポリープは見つけにくい」とお話ししましたが、当院ではこれらを見逃さないために、最新のテクノロジーを導入しています。

滋賀県クリニック初導入!「AI内視鏡」が目を光らせます

当院の内視鏡には、AI(人工知能)による診断支援システムが搭載されています。 医師の目視に加え、AIが画面内のわずかな色や模様の変化を瞬時に解析し、「ここにポリープの可能性があります!」と音と枠で教えてくれます。 人間の目とAIのダブルチェック体制で、平坦でわかりにくい前がん病変も徹底的に探します。

鎮静剤で「眠っている間」に切除まで完了

検査中に切除が必要なポリープ(アデノーマなど)が見つかった場合、その場ですぐに切除(日帰り手術)が可能です。 鎮静剤を使って眠っている状態ですので、痛みを感じることはありません。

大きな病院へ移動しなくても、その場でCT検査が可能

もし内視鏡で「進行した大腸がん」の疑いが見つかった場合でも、当院には全身CTが完備されています。 わざわざ別の大きな病院へ移動して検査予約を取り直す…といった手間をかけず、その日のうちに転移がないかなどの詳細な検査を行うことができます。

よくある質問(Q&A)

Q. ポリープを切るとき、痛くないですか?

A. 全く痛くありません。
大腸の粘膜には、痛みを感じる神経(知覚神経)がないため、ポリープを切っても痛みを感じることはないのです。

Q. どんなポリープでも切るのですか?

A. いいえ。
先ほどの説明の言葉を使うのであれば、今は良いものだが、いつか悪いものに変わるポリープを切除しています。また画像だけでは判断に迷う時も基本的には切除を実施しています。明らかにがん化しない小さなポリープは、切除せずに経過観察します。

Q. ポリープを取ったら、入院が必要ですか?

A. 基本的に入院は不要です(日帰り手術)。
ただし、切除後1週間程度は、出血予防のために「激しい運動」「飲酒」「長時間の入浴」「旅行」などを控えていただく必要があります。

まとめ:ポリープ切除は、未来の「大腸がん」を消す作業

大腸がんは、ある日突然できるわけではありません。その多くは、「良性のポリープ(アデノーマ)」が数年かけて成長した結果です。 つまり、ポリープの段階で見つけて切除してしまえば、大腸がんは「予防できるがん」なのです。
「自分の腸にはどんなポリープがあるんだろう?」 まずはそれを知ることから始めませんか?
当院では、痛みへの配慮はもちろん、AI技術を駆使して、あなたの未来を守るための精度の高い検査を提供しています。 南草津駅から徒歩4分、土日も診療していますので、お気軽にご相談ください。

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