2026.02.18
健康診断で「便潜血陽性(+)」…!「痔だと思って放置」が一番危険な理由とは?

会社の健康診断や人間ドックの結果が返ってきて、封を開けた瞬間。 「便潜血(2日法):陽性(要精密検査)」 という文字を見て、ドキッとしたことはありませんか?
「血便なんて出ていないのに」 「きっと痔のせいだ」 「忙しいし、お腹も痛くないから様子を見よう」
そう自分に言い聞かせて、再検査の封筒を閉じてしまっていませんか? 実は、大腸がんの発見が遅れる最大の原因は、この「自分都合の解釈による放置」です。
今回は、便潜血検査の本当の意味と、なぜ「要精密検査=大腸カメラ」なのかを、消化器病専門医が解説します。
そもそも「便潜血検査」は何を見ているのか?
この検査は、目に見えないレベルの微量な血液が便に混じっていないかを調べるものです。 具体的には、「ヒトの血液(ヘモグロビン)」にだけ反応するように作られています。
つまり、食べたお肉や魚の血には反応しません。 陽性が出たということは、「口から肛門までの消化管のどこか(主に大腸)から、あなた自身の血が出ている」という動かぬ証拠なのです。ここで知っておいていただきたい重要な事実があります。 それは、がんの一歩手前の腺腫(前がん病変)では出血を伴うことが少なく、「便潜血が陽性の方のうち、約5%前後が実は“大腸がん”である」ということです。
多くの方は「陽性でも、カメラを受ければせいぜいポリープが見つかる程度だろう」と軽く考えがちですが、その油断が発見を遅らせる原因になります。
「2回のうち1回陰性だったから大丈夫」は大きな間違い
便潜血検査は通常、2日分の便を採取する「2日法」で行われます。 よくある誤解がこれです。
× 患者様のよくある誤解
「1日目は陽性だったけど、2日目は陰性(ー)だった。半分は大丈夫だったし、たまたま切れただけだろう」
◎ 医師の正解
「1回でも陽性が出たら、アウト(要検査)です」
なぜなら、大腸がんやポリープは「毎日出血しているわけではない」からです。 たまたま出血していなかった日に便をとれば「陰性」になります。
実際のデータで見てみましょう。 大腸がんの方が便潜血検査を行った際、本当はがんがあるのに「陰性(偽陰性)」と出てしまう確率は、1回の検査だと10〜30%ほどあります。 これを2回測定することで、ようやく10〜20%まで下げることができています。
つまり、2回行う理由は「出血のチャンスを逃さず拾い上げるため」であり、「2回とも陽性じゃないと病気ではない」という意味ではありません。 「1回でも陽性なら、体の中で何かが起きている」と捉えてください。
「痔だろう」という自己判断の危険性
「昔から痔もちだから、いつものこと」 これは最も危険な言い訳です。
確かに、陽性の原因が「痔」であることは多いです。 しかし、「痔がある人が、大腸がんにならない」という保証はどこにもありません。実際に便潜血陽性者で大腸カメラ検査をした際に痔しか所見がない方は15%しかいないという報告もあります。
- 痔からの出血だと思っていたら、実はその奥に「進行した大腸がん」が隠れていた。
- 痔とがんが「同時に」存在していた。
これらは、私たちが内視鏡検査をしていて頻繁に遭遇するケースです。 「出血の原因が本当に痔だけなのか?」は、カメラで腸の中を直接見ない限り、誰にも(医師にさえ)判断できないのです。
もう一度「便潜血検査」をやり直しても意味がない?
「間違いかもしれないから、もう一回便潜血検査を受けたい」 という方がおられますが、これは医学的に全く意味がありません。
仮に再検査で「陰性」が出たとしても、それは「今日はたまたま血が出ていなかった」だけであり、「がんがない証明」にはならないからです。
【重要なルール】
便潜血で陽性が出た場合の「精密検査」とは、
× もう一度、便検査をすること
◎ 大腸カメラで直接確認すること これ一択です。
陽性になったら、どうすればいい?
「陽性=大腸がん」と決まったわけではありません。 陽性の原因には、以下のようなものがあります。
- 痔(イボ痔、切れ痔)
- 大腸ポリープ(前がん病変)
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)
統計的には、陽性の方のうち実際に「大腸がん」が見つかるのは5%程度です。 しかし、「ポリープ」が見つかる確率は50-60%と非常に高くなります。
前回の記事でもお伝えしましたが、ポリープは「がんの芽」です。 「便潜血陽性は、がんになる前のポリープを見つけて切除するチャンスをもらった」とポジティブに捉え、必ず受診いただき、大腸カメラ検査をすることを強くお勧めします。
よくある質問(Q&A)
Q. 「間違いかもしれない」ので、もう一度便潜血検査を受けてもいいですか?
A.いいえ、意味がありません。
記事でも触れましたが、大腸がんやポリープからの出血は間欠的(出たり止まったり)です。再検査で「陰性」が出たとしても、それは「今日はたまたま血が出ていなかった」だけで、「がんがない証明」にはなりません。一度でも陽性が出たら、必ず内視鏡検査を受けてください。
Q. 陽性だと、大腸がんの確率はどれくらいですか?
A. 統計的には、陽性の方のうち実際に「大腸がん」が見つかるのは約5%程度です。
「陽性=即がん」ではありませんので、過度にパニックになる必要はありません。しかし、がんの一歩手前である「高異型度腺腫」は25%程度の方に見つかります。さらに低異型度腺腫と高異型度腺腫を含めると50-60%見つかるとの報告もあります。この段階で発見・治療することが最も大切です。
Q. 大腸カメラは痛いですか?恥ずかしいのですが…
A. 昔のイメージとは違い、現在の内視鏡検査は非常に楽に受けられます。
当院では鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、ウトウトと眠っている間に検査が終わります。痛みや不快感を感じることはほとんどありません。また、検査準備室についてはプライバシーに配慮した個室も完備していますのでご安心ください。
まとめ:その「安心」を得るために
「要精密検査」という通知は怖いものです。 しかし、一番怖いのは検査そのものではなく、「放置して、手遅れになってから見つかること」です。
JR南草津駅から徒歩4分の当院で受けていただく大腸カメラは、鎮静剤を使用し、眠っている間に苦痛なく受けていただけます。 「痔だろう」という思い込みを、「異常なし」という確信、そして「安心」に変えるために。 まずは一度、ご相談ください。
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