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胃底腺ポリープとは、胃の上部(胃底部)にある「胃底腺」と呼ばれる部分にできる小さな隆起状の良性腫瘍の一種です。このポリープは主に胃の粘膜の腺細胞が過剰に増殖してできるもので、見た目は丸みを帯びた小さな粒のような形状をしています。多くの場合は数ミリ程度のサイズで、複数個が集まって見つかることも少なくありません。
近年、胃内視鏡検査の普及によって偶然発見されることが増えており、特に胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)を長期間服用している人に見られることが多い傾向があります。基本的には良性であり、がん化するリスクも非常に低いとされています。
胃底腺ポリープは、多くの場合で自覚症状がありません。そのため、健康診断や人間ドックなどで内視鏡検査を受けた際に、偶発的に発見されることがほとんどです。症状が現れるケースは少ないですが、ポリープが比較的大きくなった場合や、数が多い場合には胃の張り感や不快感を自覚することもあります。
非常にまれではありますが、大きく育ったポリープが出血を引き起こすことがあり、その場合には黒色便が出たり、軽度の貧血を伴う可能性も否定できません。しかし、ほとんどの胃底腺ポリープは無症状のまま経過することが多いため、診断後も冷静に医師の指示に従い、過度に不安を感じる必要はありません。
胃底腺ポリープの発見には、胃内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)が最も確実です。内視鏡を使って胃の内部を直接観察することで、ポリープの位置や形状、数、大きさを詳細に把握することができます。
発見されたポリープが典型的な形をしており、サイズも小さい場合には、経過観察のみで問題ないと判断されることが多いです。一方で、形が不規則であったり、出血の跡が見られる場合には、念のために組織の一部を採取して病理検査を行うことがあります。
また、長期間にわたって胃酸分泌抑制薬を使用している方の場合は、薬剤との関連性を見直すきっかけにもなりえます。ポリープの性質を正確に把握することで、無用な心配を避けながら、適切な管理へとつなげていくことが可能です。
胃底腺ポリープが小さく、かつ良性であると判断された場合には、特別な治療は必要ありません。むしろ、過剰な処置を避け、定期的な経過観察の中でポリープの変化を見守ることが最も安全かつ合理的です。
ただし、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などを長期使用している方の場合、ポリープの出現と薬剤との関係性を評価したうえで、可能であれば薬の減量や切り替えを検討することがあります。薬剤によって胃酸の分泌が強く抑えられると、胃粘膜に影響が出ることがあるためです。
仮にポリープが急激に大きくなったり、形が変化してきた場合には、内視鏡下での切除が必要になることもありますが、それは非常に稀なケースです。
胃底腺ポリープは悪性化のリスクが極めて低い一方で、完全に放置してよいわけではありません。ポリープの性状や数に応じて、1年〜数年に一度の内視鏡検査を通じて変化を確認していくことが理想的です。
また、再発や増殖を防ぐためには、胃に負担をかけすぎない生活習慣が大切です。暴飲暴食を避け、胃酸の過剰分泌を招く刺激物(過度のカフェインやアルコールなど)を控えることが、結果としてポリープの増加を抑える助けとなります。
医師との定期的な対話を続けながら、薬の使い方や生活習慣を柔軟に見直していくことが、胃底腺ポリープと健やかに付き合っていくための大きな鍵となります。