077-558-6778
9:00-17:00 土・日は15:00まで
休診:祝日・お盆・年末年始
24時間受付
WEB予約
Recruitment
採用情報
077-558-6778
WEB予約
虚血性腸炎は、腸への血流が一時的に不足することで炎症や傷害が生じる消化器疾患です。特に血管が加齢などで硬くなりやすい高齢者に多く見られますが、便秘や脱水、運動不足といった要因により、若い年代でも発症することがあります。
原因は血管閉塞(血栓・塞栓など)や低灌流状態(動脈硬化・脱水・低血圧など)で腸管に流れる血流が減ってしまう場合や血管攣縮により血管が細くなり血流が不足する場合などいくつかの場合があり、それぞれに重症度が異なり、必要な治療も変化します。腸の中でも、血流がもともと乏しくなりやすい「左側結腸」に起こることが多く、発症すると急に下腹部の痛みとともに血便が見られるのが典型的なパターンです。心疾患や動脈硬化、高血圧などの持病を抱えている方は特に注意が必要です。
虚血性腸炎では、突然の腹痛と血便が最もよく見られる症状です。痛みは通常、左下腹部に生じることが多く、食後や排便時に強くなる傾向があります。痛みのあとに現れる血便は鮮やかな赤色であることが多く、不安に感じられるかもしれませんが、大量に出血するケースはまれです。
場合によっては、下痢や発熱、吐き気、腹部の張りといった症状を伴うこともあります。ただし、ほとんどの患者さんは数日以内に自然に症状が軽快していきます。
ただし、まれに血流障害が強く、腸管の壊死や穿孔(腸に穴があく状態)を引き起こす重症例もあるため、「いつもと違う強い腹痛」や「繰り返す血便」には、注意深く対応することが重要です。
診断の第一歩は問診と視診・触診などの診察です。症状の経過、排便の状態、生活習慣、既往歴などを丁寧に確認することで、虚血性腸炎の可能性を絞り込んでいきます。
続いて行われる検査には、血液検査や画像検査(CTや腹部超音波)、そして**大腸内視鏡検査(大腸カメラ)**が含まれます。血液検査では、炎症反応や脱水の有無、貧血などをチェックし、CTでは腸の壁のむくみや血流低下のサインを捉えることができます。
虚血性腸炎に特徴的な所見を観察できるのが大腸内視鏡検査です。粘膜のただれや出血、浮腫、縦走する潰瘍などが見られることがあります。重症例では、壊死した部分や深い潰瘍が確認されることもあります。
診断の精度を高め、他の疾患(感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、大腸がんなど)との鑑別を行うためにも、適切なタイミングでの検査実施が重要です。
多くの虚血性腸炎は軽症で、一時的な腸の血流障害が原因であるため、入院せずに治癒する場合もあります。治療の中心は、腸を安静に保つことと症状に応じた支持療法です。
まずは、食事の一時中止や水分の点滴によって腸を休ませ、症状の改善を待ちます。痛みや吐き気がある場合には、それに応じた鎮痛薬や制吐剤を用います。また、脱水を伴う場合には点滴による水分・電解質の補給が必要です。
虚血性腸炎そのものに対する特効薬は存在しないため、対症的なケアが中心になります。重症例では予防的に抗生物質を使用することがあります。便秘や脱水が発症の引き金となっているケースも多いため、治療後には生活習慣の見直しが重要となります。
重症で壊死や腸閉塞が疑われる場合には、外科的処置が検討されることもありますが、あくまでごく一部に限られます。
一度発症すると、再発のリスクがゼロとは言えないのが虚血性腸炎の特徴です。とくに便秘体質の方、高齢者、動脈硬化を伴う持病のある方では、血流の低下が起こりやすく、同様の症状が再び現れることがあります。
そのため、治療後には食物繊維や水分を意識した食事、適度な運動、便通の管理が推奨されます。また、降圧薬や利尿剤など、血圧や血液量に影響を与える薬を服用している方は、主治医と相談しながら調整していくことも大切です。
経過観察としては、症状が落ち着いたあとも、一定期間の便の状態や体調の確認が必要です。再発や他の腸疾患との判別が難しいこともあるため、再び症状が出現した場合には、早めに消化器内科を受診し、内視鏡検査などを含めた精密な評価を受けるようにしましょう。