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胃痛・腹痛

Symptoms

みぞおちの痛みやお腹全体の重だるさは、多くの方が日常生活の中で経験するごく一般的な症状です。しかし、痛みが慢性的に続いたり、食事や体勢によって悪化する場合、胃の働きや粘膜に負担がかかっているサインかもしれません。食後の張り、吐き気、むかつきなどを伴うケースもあり、胃の状態が不安定になると食生活や睡眠の質にも影響を及ぼすことがあります。ここでは、よくみられる原因や考慮すべき疾患、受診の目安をわかりやすく解説していきます。

胃痛・腹痛に関連する病気

胃炎(急性・慢性)

急性胃炎では、飲酒のしすぎや香辛料の摂りすぎ、ストレスなど、短期間に強い刺激が加わることで粘膜が荒れ、急に差し込むような痛みが起こります。一方、慢性胃炎では、ピロリ菌の感染や長期間の生活習慣の影響により、胃の表面がじわじわと炎症を起こし、重だるさや食後の不快感が長く続くのが特徴です。痛みそのものは軽くても、調子の悪い日が繰り返し訪れるなど、生活の質に影響しやすい傾向があります。

胃・十二指腸潰瘍

胃酸の働きが強すぎたり、防御機能が落ちたりすると、粘膜が深く損傷し潰瘍を形成します。空腹時にキリキリと痛む、食後しばらくして痛みが戻る、夜中に疼くような痛みで目が覚めるなど、痛みの出るタイミングに特徴があります。さらに、潰瘍が進んで出血が起きると、便が黒くなったり、貧血症状が出てくることもあります。自覚症状が軽くても出血を伴っている場合があるため、放置しないことが重要です。

機能性ディスペプシア

内視鏡検査で明らかな異常がなくても、胃の動きの鈍さや知覚過敏によって痛みや張りが続く状態をいいます。ストレスや緊張が強い時期に悪化しやすく、胃が重くて食事量が減る、少量の食事で満腹感が強くなるなど、多彩な症状が現れます。原因がはっきりしないため不安を抱きやすい症状ですが、治療で改善することが多い疾患です。

疑われる疾患

胆のうや膵臓のトラブル

胃に近い臓器である胆のうや膵臓の異常でも、みぞおち周囲に痛みとして感じることがあります。特に脂っこい食事の後に痛みが強まる場合や、背中に抜けるような痛みがある場合は、これらの臓器が関与している可能性が高くなります。痛みと同時に発熱や吐き気を伴うこともあり、放置すると症状が悪化しやすい領域です。

食道の炎症(逆流性食道炎)

胃酸が食道へ逆流することで、胸の奥が焼けるように感じたり、酸っぱいものが上がってくる症状が現れます。胸やけが主体になりますが、みぞおち周囲の痛みとして自覚する方も多く、胃痛との区別がつきにくいケースも少なくありません。食後すぐに横になると症状が悪化しやすく、睡眠の質にも影響を及ぼします。

腸の不調に伴う痛み

腸の動きが乱れたりガスが溜まったりすると、胃の近くの位置に痛みを感じることがあります。特に便秘や下痢が続いていると腹部全体の張りが強まり、胃の痛みと勘違いしやすくなります。食事内容や生活リズムが影響しやすいため、便通との関係を確認することが診断のヒントになります。

対処すべき症状

痛みが数日以上続く場合

一時的な胃の疲れであれば自然に落ち着くことが多いですが、数日以上続く場合、胃粘膜に炎症が起きていたり、機能の低下が続いている可能性があります。特に痛みが波のように繰り返す場合は、胃の内部に継続した刺激が加わっているサインとも考えられ、症状の推移を見るだけでなく早期の評価が役立ちます。

食欲低下や吐き気を伴う場合

胃の動きが悪くなると、食事量が自然に減り、食後のむかつきや胃もたれが強くなります。食欲の低下は体力の低下にもつながりやすく、長引くと日常生活に大きな影響を与えます。軽度の症状でも続く場合は、胃炎だけでなく機能的な不調も含め、検査や治療が役立つタイミングです。

黒色便や貧血症状がある場合

消化管で出血が起きている可能性があり、特に胃や十二指腸の潰瘍では出血を伴うことがあります。黒色便は出血を反映する重要なサインで、気づきにくい場合でも体がだるい、息切れしやすいなどの貧血症状が同時に起こることもあります。見逃すと危険なケースもあるため、早期受診が必要になります。

まとめ

胃痛・腹痛は、胃炎・潰瘍・機能性ディスペプシアなどの胃そのものの異常から、隣接する臓器や腸のトラブルまで非常に幅広い原因で起こります。痛みの出るタイミングや強さ、食事との関係、便通や胸やけの有無などを手がかりに、背景の状態を丁寧に判断していくことが大切です。症状が軽く見えても、繰り返す場合は早期に検査することで安心につながります。胃の粘膜の状態を確認できる内視鏡検査は、原因の特定に大きく役立ち、適切な治療につながりますので、気になる不調が続くときは遠慮なくご相談ください。